スキンケア



※スキンケア10個のポイント


@現代っ子は肌がデリケートです。
肌が乾燥しやすく、カサカサしやすいのが特徴です。
スベスベしたお子さんらしい肌を維持するためには「意識したスキンケア」が重要です。
お母さん、お父さん是非ともスキンケアの実行をお願いいたします。

A肌の表面は、皮脂膜という油分の膜が肌を守っています。
皮脂膜があるおかげで、肌の表面にバイ菌やウィルスが侵入するのを防ぎ、「とびひ」や「カポジ水痘様発疹症」、「単純性発疹」といった皮ふ表面の細菌感染症やウィルス性感染症にならずに済んでいるのです。
肌が乾燥しますと、このような皮ふの感染症が起こりやすくなってしまうのです。

B皮脂膜のもう一つ重要な役割は、肌に含まれる「水分」が肌の外に出てしまって乾燥するのを防いでくれます。
カサカサした乾燥肌の状態になりますと、「アトピー性皮ふ炎」が起こってきます。
水分計でアトピーのお子さんの肌を測ってみますと、水分含有率は26〜27%しかありませんが、正常な皮ふのお子さんは30%以上と、肌に水分がたっぷりと含まれています。
アトピー性皮ふ炎で保湿剤が重要なスキンケアなのは、保湿剤が肌の水分量を増やしてくれるからです。

C軽症の乾燥肌であれば、肌を潤す保湿剤をたっぷりと毎日塗っていただければ肌の乾燥は改善してきます。保湿剤は塗る量や日数が少ないと効果は不十分です。保湿剤はたっぷりと毎日継続して使いましょう。お風呂上りは肌が最も乾燥しますので、お風呂からでて5分以内には保湿剤を塗ると効果的です。

D肌が乾燥している時に注意しなければならないのが、お風呂です。日本人はお風呂でゴシゴシとしっかり体を洗うことが好きな傾向にあります。しかし肌が乾燥した状態では皮ふの表面が皮脂膜で覆われていない状態でゴシゴシと洗うと皮ふに直接傷がついて肌を傷めることになります。肌はやさしくそっと洗いましょう。一番良いのは泡立てた石けんで、お母さんやお父さんの手でそっとやさしく洗うのが良いでしょう。肌の洗い方も重要なスキンケアです。

E保湿剤は体の肌のしわに平行になるように塗ると均等に肌に入っていきますので塗り方も大切になってきます。例えばお腹は肌のしわが横になってるので保湿剤を塗る時は横にのばすように塗ると良いわけです。これを縦にのばすように塗ってしまうと、肌に均等に入っていきません。保湿剤の塗り方も大切なスキンケアです。

F肌の乾燥というと、寒い冬場に多くみられると思われていますが、実はお子さんの肌は夏場も乾燥傾向にあります。
夏は汗をかくと、あせもという「かぶれ」を起こしてきますので、こまめにシャワーと肌着の着替えが必要です。
もちろんオムツでもあせもを起こしますので、オムツもまめに取り替えることが大切です。
汗対策は重要なスキンケアのひとつです。
ちなみに赤ちゃんは冬でも「あせも」がみられますので、こまめな肌着の着替えが必要です。

G現代っ子はけっこう「しもやけ」になります。
冬、寒くなると手足の指の血行が不十分となり、指が赤く腫れあがります。
軽症であれば保湿剤で改善しますが、重症例ですと血行を改善する内服薬が効果的です。
「しもやけ」にもスキンケアが必要です。

H手や足の指先だけがカサカサと乾燥している子が多くみられます。
冬にそうなるお子さんと、夏になってしまうお子さんがいますが、この現象も指先の血行が不十分なために起こってくるものなのです。
このケースも保湿剤で改善するお子さんもいますが、血行改善の内服薬がより効果的です。
スキンケアも、ぬり薬で十分な場合とのみ薬が必要な場合がありますので注意が必要です。

I現代っ子は日焼けに弱い傾向にあります。
日焼けは「火傷」と同じです。真っ黒に日焼けするのは一見健康的にみえますが、お肌にとっては大きなダメージとなります。
日焼け止めを上手に使って、焼きすぎないように肌を守るスキンケアが必要です。
強い日焼けは将来「シミ」の原因になります。お子さんの将来の肌を意識してスキンケアを心がけましょう。






皮ふ科のスキンケア指導
〜東京慈恵医科大学 石地 尚興先生 講演会〜

アトピー性皮ふ炎は、皮ふ表皮のバリア機能異常による皮ふの乾燥が原因です。
ですから、アトピーには皮ふのバリア機能の維持(スキンケア)が大切です。

新しい皮ふの新陳代謝には洗浄、入浴が大切です。
清潔にするのは大切ですが、強く洗いすぎてしまうのはよくありません。
以下のことに気を付けましょう。


※体の洗浄

ナイロンタオルやスポンジは硬いので、アトピー性皮ふ炎の方には使用してはいけません。
綿などのやわらかいタオルを使用するのが良いでしょう。
石鹸をよく泡立て、体に泡を手でそっと乗せていく感じで洗いましょう。こすらないことが大切です。
液体タイプの石けんを泡立てて使うのが良いでしょう。




※入浴時間と温度

5〜10分の入浴時間が良いでしょう。
お風呂の温度は39〜40℃のぬるめのお湯が良いでしょう。
軽症のアトピーの方の入浴は、普通の湯温の全身浴で大丈夫です。
重症のアトピーの方の入浴は、シャワー浴で、湯温をぬるめにすることが重要です。



※洗髪

最初にお湯で髪をすすいでからシャンプーを使いましょう。
髪を傷めるので、髪同士のもみ洗いは避けましょう。
石けんやシャンプーは泡立ちがよく、泡持ちの良いものを選びましょう。
洗髪したシャンプーは体にかからないようにしましょう。
シャンプーが体に付きますと、皮ふを傷めます。





※入浴剤

スキンケア系入浴剤ならば軽度のアトピー性皮ふ炎なら使用しても大丈夫です。
(スキンケア系入浴剤以外はアトピーの方には適しません。)
市販の保湿系入浴剤としては、「コラージュD入浴剤」があります。





※保湿剤

市販のもので保湿に役立つセラミドタイプのクリームとしては「キュレル」があります。
保湿効果が最も優れているのは「ヒルドイド軟膏」(処方薬)です。
保湿剤は入浴後できるだけ早く塗りましょう。ただし、こするようなぬり方は避けましょう。
アトピー性皮ふ炎で症状が落ち着いている時も、保湿剤(ヒルドイド)を塗っていると、悪化が少ないです。







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