◆単純疱疹(単純ヘルペス)
左)口唇のヘルペス
右)上口唇のヘルペス
左)上口唇のヘルペス
右)手の中指のヘルペス
ふつうは口唇やそのまわりに小さな水ぶくれができることが多いので口唇ヘルペスとも呼ばれます。
医学用語ではヘルペスとは水ぶくれの集まりのことをいいます。
単純ヘルペスウイルスが原因でおこり、親子、夫婦などの親密な間柄で発症することが多く"愛のウイルス"と呼ばれたりしますが、感染力が強く直接的な接触やタオル、グラスなどを介しても感染します。
単純ヘルペスには口唇、顔面にできる1型と性器にできる2型の2種類があります。
どちらも体の抵抗力や免疫力の低下が原因で発症し、風邪で熱が出た時にみられることが多いので熱の華(はな)と呼ばれたりします。
風邪以外にも紫外線、疲労、胃腸障害、ストレスなども誘発因子となります。
症状はまずチクチク、ピリピリ、ムズムズなどの違和感があり、少しずつ赤くはれてきます。
その後に2,3日で水ぶくれができて、それが時間の経過とともにかさぶたになり、乾いて治っていきます。
全治5〜10日位ですね。細菌感染さえ起きなければほとんどがあとを残すことなくきれいに治るでしょう。
患部近くのリンパ節がはれて痛くなることがありますが、感染が全身に回らないように体が自らブロックしてくれているため、でそれ自体は心配は無用です。
でも水ぶくれが完全に乾いてかさぶたになるまでの間は感染力が非常に強いので、KISSなんかは控えましょうね。
治療は抗ウイルス剤の内服か外用です。早くに治療を開始すればほとんどが問題なくすぐに治ります。
一般的には内服薬の種類によりますが、1日に5回(3時間おきを目安に)5日間あるいは1日に2回(朝・夕食後)5日間だけウイルスの増殖をおさえる薬を飲みます。
感染を併発している場合は抗生物質や消炎剤の内服も必要です。
必要に応じてアレルギー検査や一般血液検査(肝機能・腎機能のチェックも含む)も行いますよ。
水ぶくれができる前のムズムズ、チクチクなどの再発の兆しを感じとれれば早めに内服を開始できるので治りもぐっとよくなります。
しかしながらこれらの抗ウイルス剤は皮膚上で暴れているウイルスの増殖を抑えるだけでウイルスを完全に死滅させることはできないので、ウイルスは再び神経を伝わり神経節(神経の根元)に戻り潜み生き続けるので再発します。
再発を繰り返さないために日頃からバランスのとれた食事をとり体力をつけるよう心がけましょう。
精神的・肉体的ストレスは大敵なので十分な休息をとって下さいね。
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