◆乾皮症(かんぴしょう)=皮脂欠乏症
いわゆるドライスキンと呼ばれるものです。
一般的には加齢によることが多く、軽い皮脂の欠乏は病気というより人間の自然な変化といえます。(ある程度は仕方ないですね^^)
皮膚のうるおいは皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質という3つの物質によって一定に保たれていますが、乾燥している皮膚では表面の角質細胞がはがれて、すき間ができ、水分が逃げやすくなります。
そのために寒い冬の時期には体が温まり血行が良くなるとかゆみが増すことが多いようです。
そこでまず大切なものは当然のごとく加湿器です。
できれば10月10日〜5月5日までの間、雨の日以外は使用するように心がけましょう。
空気の乾燥はお肌の大敵です。部屋の湿度は40%位になるように努力して下さい。
寒いからといって皮膚の表面から皮脂を奪うこたつ、電気ストーブ、ホット・カーペットなどの過度の使用は控えましょうね。
入浴のしすぎ、石鹸の使い過ぎやナイロンタオルの使用も皮脂欠乏を招きますので注意して下さい。
入浴の際のお湯の温度は39〜41度に設定しましょう。42度以上の熱いお湯につかると必要以上に皮脂が奪われてかゆみを生じやすくなります。
また湯ぶねにつかる時間は10〜15分が適当です。
腕や脚、おなかなど皮脂分泌の少ない部分なら石けんを使うのは週に1〜3度でかまいません。
すねは硬い場所だからといってゴシゴシと洗ってしまうと皮膚のバリアー機能が低下して乾燥し、かゆみを感じやすくなるので注意が必要です。
手あるいは手ぬぐいで石けんをよく泡立て、つつみこむように優しく洗いましょう。
またお風呂上りにボディクリームやローションで保湿ケアをしましょう。忙しく時間のとれない人はなるべく保湿系の入浴剤を使用して下さいね。
肌着はなるべく柔らかく保湿力の高い木綿のものか化学繊維でもキサトンなどの保湿成分が含まれたものを選んでくださいね。
アクリルやナイロンなどの化学繊維の衣類(セーター)は素材そのものが水分を含まないために、肌にじかに触れるだけで水分が奪われるので、その下にこれらの肌着を着て下さい。ウールや化繊のタートルネックのセーターを着ると摩擦がおき、かゆみが出やすくなりますので、タートルネック用のインナーを着たり、綿のスカーフを巻くなど工夫しましょう。
最近では保湿作用と抗菌作用を合わせ持つすぐれものの"デオドラントシャツ"も登場しています。
皆さんの大好きなアルコールや香辛料などの刺激物は血行を良くし、かゆみを増強させるので極力控えめにしましょう。
かゆみを軽くするためには規則正しい生活を心がけ、休養を十分にとり、ゆったりとした時間を少しでも多くとる事が大切です。
当院では皮膚のバリアー機能を補いつつかかないようにコントロールすべく、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服と尿素軟膏、ヘパリン含軟膏やステロイドの入った外用薬をそれぞれの皮膚症状にあわせて処方します。
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