耳の症状


耳はきこえ(聴覚)に関係する部分や体のバランス(平衡覚)に関係する部分から構成されています。

これは下図のように外耳・中耳・内耳の3つの部分に細かく分けられます。

たとえば、耳のきこえが悪い時には外耳・中耳・内耳のそれぞれの部分が単独でやられているのか、あるいは3つの部分がすべて関係しているのかを区別することが重要であり、それによって治療法が異なります。



耳の中に水が入ったり、耳かきや耳そうじを習慣的に行うことでおこります。

1.外傷
主に耳かきで外耳道や鼓膜を傷つけてしまう事でおこります。

2.湿疹
かゆみや耳漏(みみだれ)などの症状がでます。
適切な治療のほか勝手にさわらないという強い意志が必要です。

3.外耳炎
耳の穴の奥で細菌感染をおこしたものです。


4.耳せつ
耳の入り口付近の毛穴の中で細菌感染をおこしたものです。

5.耳垢栓塞
耳垢はカサカサしたものから、ベトベトしたものまで個人差があります。
耳掃除をしていたら急に聞こえなくなったとか、最近聞こえが悪くなったと感じます。

まれにあることですが、つまったまま放置しておくと、骨が溶けることもあり、診察時にしっかり取ってもらうことが必要です。



鼓膜の向こう側にある空間を中耳といいます。
中耳と上咽頭を結ぶ耳管という管が大きく関係しています。


1.急性中耳炎
風邪をひいてから急に耳が痛くなってきた時にはまずこの病気を考えます。
鼻や喉についた病原菌は鼻の奥にある上咽頭から耳管を通って中耳にたどりついて感染をおこします。

中耳の空間に膿がたまって鼓膜がはれるため猛烈な痛みを伴います。
特に幼小児は、大人に比べて感染をおこしやすいため、風邪がよくなっても鼻水が多い時には耳鼻科で鼻水を吸引してもらうなど処置が必要です。

最近では抗生物質の効きにくい耐性菌が増えており、注意が必要です。

特に保育所や託児所などで集団感染をおこす事がわかっており、なかでも低年齢児は感染の危険が高いグループとして位置付けられています。
鼻水が出たら早めの治療が必要です。

しっかり治しておかないと滲出性中耳炎や慢性中耳炎に移行することがあります。


2.滲出性中耳炎
幼児と老人に多くみられますが、幼小児が約90%を占めます。

耳の痛みを訴えず、ききかえしたり、テレビの音を大きくしたりといった難聴の症状で気付かれる事が多いようです。

急性中耳炎の痛みがなくなった時点で治療を中断してしまうと滲出性中耳炎に移行することがあります。
治りにくい場合には、中耳の換気・排液を目的として鼓膜にチューブを挿入する手術が必要です。


3.航空性中耳炎
中部国際空港ができて周辺地域にお住まいの方が飛行機に乗って旅行する機会が増えたせいか、この病気で受診される方が多くなってきました。

風邪やアレルギー性鼻炎があると耳管の機能低下がおこります。
その状態で飛行機に乗ると、飛行機の上昇あるいは下降の際に発生する気圧の変化に対応できず、耳の痛みや耳のつまった感じが続きます。
その結果中耳炎をおこし、中耳に滲出液がたまります。

体調を整えて飛行機に乗る事はもちろんですが、風邪ぎみで乗らなければいけない時には、飛行機の上昇あるいは下降の際にあらかじめアメをなめたり、ガムをかんだり、あくびをしたりして予防的な手段をとることが大切です。

飛行機に乗るたびに耳が痛くなる場合には、事前に鼓膜にチューブを挿入する手術を行っておくと全く痛みがなく旅行できます。


4.慢性穿孔性中耳炎
鼓膜の穿孔、難聴や耳漏をともなって慢性に経過した中耳炎です。

鼓膜の穿孔をふさぐ手術(鼓膜形成術)により聴力の改善がみられ、耳漏もなくなることがわかっています。

当院でもこの手術を行っております。


5.真珠腫性中耳炎
もともと耳管機能不全があり、鼓膜が中耳側にへこんだところに垢がたまって炎症をおこし、真珠腫を形成します。

それにより骨が破壊され周辺臓器に影響を及ぼします。
難聴、めまい、顔面神経麻痺をおこし、さらにひどくなると頭蓋内に入り込んで脳膿瘍などの重篤な合併症をきたすことがあります。

このような場合には手術が必要となります。
早期にみつかれば外来での治療で対応することができます。



加藤耳鼻咽喉科
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