小児にみられる眼の感染症


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〜徳島診療所 中川尚先生講演会より〜

@細菌性結膜炎
細菌性結膜炎の3大原因菌は次の3つです。
 ・インフルエンザ菌 :乳幼児から小児に多く、風邪をひいた時によくみられる結膜炎です。
 ・肺炎球菌    :児童から成人に多く、冬季に流行することがある結膜炎です。
 ・黄色ブドウ球菌 :成人から老人に多い結膜炎で、MRSAといってお薬の効きにくいものがみられます。
細菌性結膜炎の治療には点眼薬のみで十分です。、赤ちゃんやお子さんでは、「オゼックス点眼液」が良いでしょう。
4〜5日間使用して治らない時には、薬の効きにくい耐性菌が原因と考えましょう。
点眼薬が無効なのは「淋菌性結膜炎」です。

A淋菌性結膜炎
 ・本来は「性感染症」ですが、お子さんでも感染します。男の子に多く多くみられます。
 ・角膜に潰瘍ができたり、角膜に細菌感染を起こすなどの合併症を起こしやすくなります。
 ・キノロン系点眼液が効かないケースが多くみられます。
 ・治療はロセフィンという抗生剤の「点滴」と「点眼」が必要になります。

Bウィルス性結膜炎
a)プール熱(咽頭結膜熱)
発熱と結膜炎、のどが真っ赤になるのが特徴的で、夏に多く流行します。

b)急性出血性結膜炎

c)流行性結膜炎(EKC)
 ・眼の中に膜様のもの(偽膜)がみられたり、角膜が濁って混濁する重症な結膜炎です。
 ・赤ちゃんは「まぶた」が腫れて眼が開けられないことが多くみられます。眼を閉じた状態が長期間続くと、視力が低下することがあります。

d)ムンプス角膜内皮炎
 ・結膜の充血、角膜の混濁、腫れなどの症状で視力が低下してきます。
 ・おたふく(ムンプス)の合併症です。
 ・おたふくの発症早期の片眼の高度な視力低下が特徴的です。

e)小児の帯状疱疹や単純性疱疹による結膜炎
お子さんの顔に、帯状疱疹や単純性疱疹などのヘルペスウィルス感染がみられた時に結膜炎を起こすことがあるので注意が必要です。
帯状疱疹や単純性疱疹ののみ薬の治療が必要になります。



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