小児皮ふ細菌感染症の対処法


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〜帝京大学 渡辺普一先生講演会より〜

@乳児多発性汗腺膿瘍
赤ちゃんの頭部に多発してできる「かたまり」で、別名「あせものより」というものです。
黄色ブドウ球菌に感染してできたもので、抗生剤の内服で治りますが、ぬり薬では治りません。


ASSSS(ブドウ球菌性熱傷様ヒフ症候群)
・黄色ブドウ球菌の「毒素」が原因でおこる重症細菌感染症です。
発熱で始まり、目やに、鼻汁、口周囲が赤くなり放射状の亀裂がみられ、全身に様々な発疹がみられます。

・「擦過痛」が特徴で、ちょっとさわっただけでも痛がり、ちょっとこするだけでも皮ふがむけてしまいます。

・「とびひ」の治療中に生じることが多いので、しばしば「薬疹」と間違われますが、この時ステロイドの内服を受けると「死亡してしまう」ことがあるので、「とびひ」のお子さんでは特に注意が必要です。
(赤ちゃんは基本的に「薬疹」が少ないのが特徴です。)


BMRSA
・これは抗生剤が効きにくいタイプの黄色ブドウ球菌で、とびひの原因としてよくみられます。
ゲンタシン軟膏やアイロタイシン軟膏では効果がありません。

・ナジフロキサシン(アクアチム軟膏やクリーム)でしたら「MRSA」にも有効で、「通常のとびひ」と「MRSAのとびひ」に一番効果的です。

・ホスホマイシン(抗生剤)を内服し、数時間後にセフェム系抗生剤かペニシリン系抗生剤をのんで治療をすると改善します。
さらに治りにくければ、8才以上のお子さんではミノマイシンなどの抗生剤やバクタ、リファレピシンなどの内服薬が有効です。


Cアトピー性ヒフ炎では
・適切な治療をしているにもかかわらず、急激に「水疱」をともなう発疹が生じた場合、
「とびひ」、「カポジ水痘様発疹症」に注意が必要です。

・不適切なアトピーの治療を繰り返している場合には、医師の指導のもとステロイドのぬり薬で治療を行うことが大切です。







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