ぜん息の長期管理薬物療法


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〜千葉大学  川野陽一先生 講演会より〜

ステロイド吸入液(パルミコート吸入液やアドエアー)の使用において、
低身長や副腎機能の抑制、血圧や脈拍に影響する等の副作用はみられておりません。

アドエアーを使用しているお子さんのぜん息症状が安定している時には、
アドエアーからステロイド単独の吸入(フルタイドetc)に変更し、吸入薬の減量をすると良いと考えられています。
この減量は「2年間ぜん息の症状が全くないことを確認」してから考えた方が良いでしょう。

お子さんにぜん息症状がない状態でも、気管支拡張薬の吸入をする前より、
した後の方の呼吸機能が改善しているようであれば、ぜん息はまだ治っていないことになりますので、
ステロイドの吸入薬の治療は継続する必要があります。

ステロイドの単独吸入薬を使用していても、ぜん息症状が良くならないお子さんでは、
吸入薬をアドエアーに変更する以外に次の治療があげられます    
@他のステロイド吸入薬(アドエアー以外のもの)に変更してみる。
A気管支拡張薬の吸入(セレベント)を追加する。
Bロイコトリエン抵抗薬(オノン・キプレスetc)を追加する。

@ABについては、お子さんによって治療の反応性が異なりますので、
外来で症状をみながらし対応していくことが重要です。

ロイコトリエン抵抗薬(オノン・キプレスetc)は、ぜん息のお子さんが内服していますと
ウイルス感染後のぜん息症状の悪化予防に効果があります。

お母さん方は、お子さんのぜん息症状をより軽めに判定する傾向があります。
お子さんがぜん息発作で眠れなくても、症状が重いとは思わない傾向があります。
夜間に眠れているか、学校を休まずに行けるかなどが症状の目安になります。

ぜん息の内服薬は保護者の方がきちんと管理しましょう。
お子さんだけにまかせてしまうと飲み忘れが多くなり、ぜん息発作がよくなりません。

吸入ステロイド薬とロイコトリエン抵抗薬(オノン・キプレスetc)内服薬では、
内服薬の方が
吸入薬より治療の継続性が良い傾向があります。

ぜん息のお子さんの治療目標は、ぜん息の症状がかるくなり、完全に治ることです。
症状が軽い状態というのは、夜間の睡眠を含めて日常生活に支障がないこと。
そして、発作時の内服薬や吸入薬の必要が全くないことです。





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