小児アトピー性皮ふ炎の予防と食物制限 


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国立成育医療センター大矢幸弘先生 講演会より

0才の時に湿疹があると、その後に食物アレルギーになる確率が高くなります。
(0才時の湿疹は食物アレルギーの危険因子になります。)
赤ちゃんの時の湿疹を早く治すことで、ヒフからのアレルギー(経皮感作)を予防することが出来るかもしれません。

ヒフから吸収されて起こるアレルギー(経皮感作)は食物アレルギーを促進し、逆に口から食物が入って起こるアレルギー(経口感作)は
食物アレルギーを緩和する傾向があります。
「経皮感作」をおこすとその後食物の摂取によって食物アレルギーを起こしますが、全てのお子さんがなる訳ではなく、食物の「経口感作」によって
食物アレルギーにならずにすむお子さんもいます。


妊娠中のお母さんの食物制限(卵、牛乳)は、生後12ケ月〜18ケ月のお子さんのアトピー性皮ふ炎の発症への予防効果はありません。
それどころか、赤ちゃんの出生体重を約100g低下させてしまいます。
授乳中のお母さんの食事制限も同様に、お子さんへのアトピーの予防効果はありません。

「お子さん自身」に牛乳や卵などの離乳食の開始を遅らせても、牛乳や卵の食物アレルギーの発症を予防する効果はありません。
逆に、離乳食の開始が遅いほど、アトピー性皮ふ炎や気管支ぜん息の発症が多くなります。

生後5ヶ月〜7ヶ月の早い時期に離乳食を開始すると、その後のアレルギーの病気の発症を予防する効果が期待できます。



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