小児用肺炎球菌ワクチンの最新情報
お子さんの髄膜炎の原因細菌の
第1位は、インフルエンザ菌(Hib)(@)で、
第2位は、肺炎球菌(A)です。
しかも、この肺炎球菌は、お薬が効きにくいタイプが多いのが特徴ですので、
@に対しては、「ヒブワクチン」、
Aに対しては、「小児用肺炎球菌ワクチン」
を接種すれば、かなり高い確率で予防が出来るのです。
また、小児用肺炎球菌ワクチンで、反復性・難治性の中耳炎を減らすことができます。
このワクチンは、海外でも安全性の高いワクチンとして認められています。
肺炎球菌は、重症の感染症が多い傾向にあります。例えば肺炎に、心臓の病気や腎臓の病気が合併することがあります。
アメリカでは小児用肺炎球菌ワクチン導入後、肺炎球菌の感染症が激減しました。
重症の肺炎球菌感染症は、小児用肺炎球菌ワクチン導入後、特に2才以下で著明に減少し、お薬の効きにくいタイプの肺炎球菌の感染症も低下しました。2〜4才未満・65才以上の肺炎球菌の髄膜炎による入院患者数も、著明に減少しています。
日本でも小児用肺炎球菌ワクチンで、肺炎球菌による髄膜炎を80%予防できるでしょう。
小児用肺炎球菌ワクチンで、個人だけでなく、「ガン」などの免疫力の弱い患者さんや、高齢者などの肺炎球菌に感染しやすい人達を守る「集団免疫」の考え方が重要になります。
現在ある小児用肺炎球菌ワクチンでカバーしきれない肺炎球菌の感染症はありますが、それらをカバーするワクチンが現在、検討されています。小児用肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌感染による中耳炎や副鼻腔炎の減少を期待することができます。
小児用肺炎球菌ワクチンの適応は9才までです。日本では、肺炎球菌の5才以上の髄膜炎は、年間10名前後かかっています。つまり、小さいお子さんだけではなく、大きなお子さんの髄膜炎もあるわけです。
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