小児のぜん息は肺機能検査による評価が大切です


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ぜん息のお子さんは、症状がない時に、本当にぜん息がよくなっているか、診察だけでは判定ができません。
特に6才以上のぜん息のお子さんは、慎重な評価が必要です。
ぜん息の呼吸機能を検査することで、お子さんの真のぜん息の状態が把握できるのです。

例えば、

@以前にぜん息発作があったが、現在は発作が全くみられず、お薬も使用していないお子さんを肺機能検査で見ると、「A・肺にぜん息の状態がまだ残っている(呼吸障害がまだある)」のか、「B・本当にぜん息の状態が消えて、正常の肺になっている(呼吸障害がない)」のかが、区別できるのです。
検査は簡単ですので、客観的な判断ができます。
もし、呼吸障害の検査結果が出た時には、年に3回程度の肺機能検査をして、経過を見ていく必要があります。

Aぜん息でお薬を使われているお子さんが、症状がない時に肺機能検査をすると、

 A・肺機能で呼吸障害がみられる場合には、肺機能がよくなるまで治療が必要になります。
 B・肺機能で呼吸障害がみられない場合には、治療の効果が十分出ていますので、このまま継続して治療を続ければよいことになります。
   この場合に、ぜん息発作がおきている時に肺機能検査をすると、呼吸器障害が一時的にみられますが、ぜん息発作がよくなると、呼吸器障害は改善して正常化しますので、症状の具体的な評価にも役立ちます。

B隠れているぜん息のお子さんの早期発見にも有効です。

例えば
・ぜん息発作はおこしていないが、運動したり走ると咳が出る
・タバコの煙を吸うと咳が出る
・アイスクリームなどの冷たいものを食べると咳が出る

などは、隠れたぜん息発作ですので、このような6才以上のお子さんは、肺機能検査をして、ぜん息の呼吸器障害がないかどうかの判断ができます。
運動をして咳が出る運動誘発性ぜん息のお子さんは、意識的に自分で運動を控えることが多いので、早期に発見して、日常生活を正常に戻してあげることもできるのです。

C肺機能検査をみることで、お子さんやお母様方が正確にぜん息の状態を把握できますので、ぜん息治療の必要性と目標を立てることが明確にできます。

D肺機能検査をみることで、重症のぜん息の見落としがなくなり、結果としてお子さんの日常生活の改善につながります。

E長期にわたってお薬を使用しているぜん息のお子さんで、肺機能検査をみることで、お薬の中止が治癒になったとは言えないということが、はっきりわかります。見かけ上のぜん息の状態と、実際のぜん息の状態には差があるということは重要な点です。

  




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