小児ぜん息の新型インフルエンザ入院例に関する調査結果


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ぜん息と新型インフルエンザの合併での入院は6〜10才に多くみられます。
入院するお子さんの主な症状は呼吸器症状です。その際、人工呼吸器の使用率は全体の5%になります。
入院日数は平均8日前後です。
発熱がみられるのは平均3日間です。症状は重いですが、症状の改善は早い傾向にあります。


発熱から呼吸困難出現までの時間は、およそ30分が最も多く、発熱と呼吸困難が同時に見られるケースも多くみられます。
これに対して、脳炎、脳症の発症は発熱後48時間以内が多いので、この期間は慎重な観察が必要です。
呼吸困難の症状に伴い、体内の酸素濃度が低下してくる例も多くみられます。

ふだんよりぜん息の薬を使用したり、ぜん息の症状が軽いにもかかわらず新型インフルエンザに感染すると重症のぜん息発作を起こしています。
これは季節性インフルエンザではみられない特徴です。
重症化の予防には予防接種、普段からのぜん息治療の徹底が必要です。
入院後の治療として「ステロイドの静注」や「イソプロテレノール持続吸入」など、重症のぜん息治療薬が有効です。
インフルエンザ治療薬の早期投与は、肺炎からの早期回復や重症の呼吸障害への伸展の阻止に有効ですので、積極的に早期治療を開始するのがよいでしょう。




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