新型インフルエンザ パンデミック時の対応


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「新型インフルエンザ パンデミック時の対応」
    千葉大 佐藤武幸先生 講演会より

米国では60才以上の33%に新型インフルエンザウイルスに対する抗体(免疫がある)がみられましたが、日本では60才以上はほとんど抗体を持っていません。
新型インフルエンザワクチンは季節性インフルエンザには効果がなく、季節性インフルエンザワクチンは新型インフルエンザには効果がありません。
ですから新型インフルエンザワクチンと季節性インフルエンザワクチンの両方を接種したほうがいいでしょう。

季節性インフルエンザは「喉」だけにウイルスが付着しますが、新型インフルエンザは「喉・気管支・肺」にウイルスがみられるのが特徴で、肺炎の合併症が多いです。

入院となる新型インフルエンザの基準としては
@血液の酸素濃度が低いケース(呼吸が上手にできない状態)
A呼吸の回数が1分間に30回以上のケース
B意識状態に異常がみられるケース(例えば時間・名前・生年月日が言えないなど)
Cインフルエンザのお薬を服用しても5日以上発熱が続くケース
D5才以下のお子さんで小児科医が必要と認めたケース
E脱水症状がみられるケース
F6カ月未満の乳児のケース

1才未満の新型インフルエンザに感染したら、必ずタミフルを服用して治療しましょう。
ただし6カ月未満の乳児が感染したら入院治療をした方がよいでしょう。

タミフルよりリレンザは耐性ができにくいようです。

「せき・くしゃみ・鼻汁」などで排出された新型インフルエンザワクチンは、2〜8時間後も付着した場所で生きていますので手洗いが重要となります。

新型インフルエンザはウイルスの排泄は発症後7日間と長いため発症後は隔離が必要になります。
潜伏期間は1週間と考えられていますので、同居の家族は1週間の発熱を注意する必要があります。
家庭では可能な限り寝室・食事を分けて接触しないようにしましょう。
@食器は洗剤で洗ってあれば共用でも感染はしません。
A洗濯物は一緒に洗っても洗剤を使用すれば感染はしません。
Bドアノブなどはアルコール消毒をして接触感染を防ぎましょう。
C次亜塩素酸などの家庭用漂白剤を400倍に薄めて消毒するのも効果的です。

体温が37.5℃以上ある場合は早めに休むことで集団感染を防ぐ効果があります。






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