新型インフルエンザ対策の課題
新型インフルは季節性インフルよりはるかに重症です。
小児は新型インフルにかかりやすく、成人はかかりにくい傾向にあります。
新型インフルの合併症として「ウィルス性肺炎」が挙げられていますが、実は「細菌性肺炎」の合併が増加している事がわかってきました。
タミフルなどの薬を使わないと、第3〜5病日に重症肺炎を併発してきます。
タミフルやリレンザを使用することにより、新型インフル患者の「重症化」と「死亡」を防ぐことが重要であり、さらに入院を減らし、入院期間を短縮することが大切です。
「重症例」ではすべての患者をタミフルで治療することが原則です。(合併症の重症肺炎を防ぐには、リレンザではなくタミフルを使用すべきです)
「軽症者」であっても、5才未満の幼児、高齢者、新生児や生後6カ月〜1才未満の乳児などのハイリスク群の方は全例治療が必要ですし、健康な成人や小児であっても、すべての新型インフル患者に早期のタミフル、リレンザの処方が必要です。
新型インフルの重症例の40%以上は「健康な成人や小児」です。
発病当初に軽症と思われた方でも第4〜5病日から肺炎を合併して死亡するケースが多数報告されています。
新型インフルウィルスは、迅速検査をした場合の感度が低いので、検査が陰性でも臨床的診断(発熱、悪寒、頭痛、全身倦怠感など)でインフルの可能性があれば、早期に治療を開始することが重要です。
日本では10代へのタミフルの投与が制限されていますが、10代でもタミフルの方がリレンザより効果がある
とされています。
新型インフルワクチンは「切り札」ではありません。
「切り札」は「タミフル」と「リレンザ」になります。
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