「予防接種に関する最近の話題〜風疹を中心に〜」
国立感染症研究所感染症疫学センター
多屋 馨子先生 講演会
@麻疹(はしか)
1)発疹出現後3日以内では麻疹であっても麻疹に感染していないことを示す麻疹TgM抗体が陰性のことがありますので注意が必要です。
2)パルボウイルスB19による伝染性紅斑(りんご病)やHHV-6/HHD-7による突発性発疹やデング熱や風疹の急性期などの麻疹以外の病気でも麻疹TgM抗体が弱陽性になることがあります。
A風疹
1)発疹出現後3日以内では風疹であっても風疹に感染していることを示す風疹TgM抗体が陰性のことがありますので注意が必要です。
2)発熱、発疹、リンパ節腫大のすべての症状がみられない風疹もあります。
3)大人の人が風疹にかかりますと発熱や発疹の期間が小児に比べて長くなったり、関節痛がひどくなったりすることがあり、1週間以上仕事を休まなければならないこともあります。
4)2013年は風疹の患者さんが男性の20〜40代が大部分を占めていました。風疹ワクチンの接種不明もしくは接種なしのかたが男性で95%、女性で88%みられました。
5)昭和37年4月1日以降に生まれた男性は定期接種の風疹のワクチンを受けてはいません。
6)20〜40代の男性は風疹の抗体保有率が女性に比べて低いのが特徴です。
7)34歳以上の男性は風疹のワクチンを1回も受けていません。
8)風疹の患者さんは職場、家族、学校の順で感染をしています。
9)風疹にかかりましたら発疹が消えるまで学校を休んで他の人に感染させないことが重要です。
10)先天性風疹症候群
白内障・緑内障・先天性心疾患、難聴、色素性網膜症、紫斑、小頭症、生後24時間以内に発症の黄疸、脾腫、精神発達遅滞などが赤ちゃんにみられるものです。
11)風疹にかかったと診断されても半分が風疹にはかからなかったという研究報告がありますので風疹は検査診断が必要です。検査で風疹抗体価の確認をしましょう。風疹抗体価の検査をして陰性か抗体が不十分ならばワクチンを受けておくことが必要です。
例えば、風疹のHI抗体価が16倍未満であれば風疹の免疫がないと考えて風疹ワクチンを早めに受けていただくのが良いでしょう。
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