アナフィラキシーショック
国立病院機構相模原病院 海老澤元宏先生講演会より
@アナフィラキシーの原因としては小麦や乳製品が多く見られます。
Aアナフィラキシーの初期治療として、呼吸や心拍や意識などのバイタルサインのチェックが重要です。
Bさらに大切なことはアナフィラキシーをおこしたお子さんは、仰臥位(あお向けに寝かせる状態)で下肢を拳上して、心臓の負担を軽くして頭に血液が回るようにすることです。
アナフィラキシーをおこしたお子さんはあお向けに横に寝かせて、足を拳上しておくのが良いでしょう。
C重篤なアナフィラキシーでは95%に皮膚症状を合併しています。
D〜エピペンについて〜
1)アナフィラキシーをおこした場合には、抗ヒスタミン剤の内服は効果が出るまでに1時間と長く、ステロイドの内服については2時間とさらに長くかかってしまいますので、30分以内に効果が出るエピペンが最も良い治療となります。
2)エピペンは血管収縮、心機能亢進、気管支弛緩、腸管弛緩の作用が見られますので、血管を収縮して下がった血圧を上昇させて、低下した心機能を回復させます。さらに収縮した気管支を拡張させてぜん息の症状を改善して、収縮した腸管を弛緩(緩めて)させて嘔吐や、腹痛などの消化器の症状を改善させてくれるのです。
3)エピペンの有害事象は含まれているアドレナリンによるもので(例えば動悸)重篤なものはなく15分以内に回復しています。
E赤ちゃんの時はアトピー性皮膚炎と食物アレルギーが合併していることが多いですが、学童児になりますとお互いに合併せずに別々の病気になっていることが多く、これが赤ちゃんと学童児の食物アレルギーの違いです。
Fロタウイルス感染症で胃腸炎をおこしますと、腸の透過性が亢進しますので、普段食物アレルギーをおこさないお子さんが食物アレルギーをおこすことがあります。
Gアナフィラキシーを誘発する因子があります。これらの因子によるアナフィラキシーの誘発を防ぐため、例えばぜん息の治療をしっかり行ったり、疲れをためこまないように休息をとるのもよいでしょう。
1)ぜん息の合併
2)非ステロイド系の領痛剤の内服
3)運動
4)疲労
5)ストレス
6)入浴
<<戻る
<<TOP
(c)たんぽぽこどもクリニック