「子宮頚がん予防ワクチンの有効性と安全性」


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「子宮頚がん予防ワクチンの有効性と安全性」
自治医科大学産婦人科今野良先生講演会
@「有害事象」とはワクチン接種後に生じた全ての好ましくない事象をさします。例えばワクチン接種された方が帰宅途中で交通事故にあわれて怪我をされた場合も「有害事象」に含まれます。
A副反応とは、ワクチン接種後に生じたもので、ワクチン接種との因果関係が否定できないものを指しています。
BCRPS(複合性局所疼痛症候群)
外傷(採血、注射、針さし)にひきつづいて起こる難治性の痛みや運動障害や発汗異常などの自律神経障害を引き起こす症候群で思春期の女子に多くみられます。
C子宮頚がん
1)毎年2万人が発症して3500人が死亡しています。
2)患者さんは毎年増加しています。
3)初期は症状はありません。
4)子宮頚がん検診は前がん病変をみつけています。子宮頚がん検診をしなければ前がん病変はみつけられませんので、がんが進行してしまう可能性があります。
5)ヒトパピロマウイルスが原因でおこります。ヒトパピロマウイルスはキスなどのスキンシップでも感染します。ヒトパピロマウイルス(HPV)の16型と18型が子宮頚がんの70%の原因になっています。
6)ヒトパピロマウイルス(HPV)の感染症は正常女性で16型が6.5%18型が4%くらいです。ところが、子宮頚がんの女性ではHPVの感染率は20代及び30代で約90%〜80%と高率です。
7)子宮頚がん検診でみつかりにくい「腺癌」の患者さんのが割合が上昇していまして、この「腺癌」の予防を子宮頚がんワクチンで出来るのです。
8)HPVは自然感染では抗体産生されにくく免疫がつきにくいので子宮頚がんワクチンで免疫をつけることが良いのです。
9)20〜25才のにほん女性における子宮頚がんワクチンでのHPVの16型と18型に関して100%予防効果が」もられています。
10)不妊症の人では、HPV感染者はHPV非感染者に比べて妊娠率が低い傾向にあります。
DWH0:2013年6月13日
1)子宮頚がんワクチンは1億7500万人分がすでに接種されていまして、安全性は再確認しています。
2)子宮頚がんワクチン接種後のCRPS(複合性局所疼痛症候群)が日本においてマスコミの注目を集めましたが、その5例はCRPSに一致していないと報告しています。サーバリックス、ガーダシルはとても安全性な子宮頚がんワクチンで両者に差はありません。
Eアメリカでは、14〜19才のHPVの感染率は11.5%→5.1%と「56%」減少しています。子宮頚がんワクチンの有効性が高いと考えられます。
F子宮頚がんワクチンの接種率は次のようになっています。
1)英、オーストラリア:80%以上
2)マレーシア:98%
3)日本:67%
4)ルワンダ:90%
G子宮頚がんワクチンの接種率の低下は集団免疫効果が減少します。
H子宮頚がんワクチンを接種されない方は将来、子宮頚がんになる可能性が高くなります。
I1)これまで規定通り子宮頚がんワクチンを接種した方は特に心配する必要はありません。今後、子宮頚がんワクチンの予防効果が出てきます。
2)子宮頚がんワクチンを1回〜2回すでに接種した方は、残りの回数を接種して、子宮頚がんを予防しましょう。子宮頚がんワクチンは3回接種しませんと子宮頚がんを予防出来る免疫が十分に上がりませんので3回接種が必要です。
3)子宮頚がんワクチンは標準接種は6ヶ月に3回ですが接種間隔がのびても3回接種することで十分な効果があります。子宮頚がんワクチンを1回又は2回で中止してしまいますと、子宮頚がんの予防のための十分な効果が得られない可能性があります。
4)1回目または2か回目の子宮頚がんワクチン接種後に妊娠された場合には、その後の接種は出産後に残りの回数の接種をすればよいのです。子宮頚がんのワクチンの接種間隔は数か月以上あいても大丈夫です。
5)成人の女性において、子宮頚がんワクチンの効果が下がるということはありません。成人の女性では、子宮頚がんワクチンは80〜90%の効果があります。



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