小児の多形滲出性紅斑と漢方薬治療 


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小児の難治性皮膚疾患の中に多形滲出性紅斑(以下EEMとします)があります。

EEMは意外と治療に難渋する皮膚疾患ですが赤みのある急性期では「ツムラ白虎加人参湯」がとても良く効きます。

EEMは急性期は浮腫状の紅斑が大小不同に見られて、一部は中心部の色が抜けた状態のドーナツ様の紅斑を呈します。この時のEEMは見た感じは真赤に腫れていまして、触ってみますと熱感を感じます。このEEMの赤い腫れと熱感をとるのに白虎加人参湯に含まれる石膏が大いに役立つのです。

石膏は冷やす効果のある生薬です。石膏は白虎加人参湯以外のツムラの漢方薬にも含まれる生薬ですが白虎加人参湯の石膏の含有量はその中で最も多い15gが入っています。

石膏と知母が入っている白虎加人参湯は力強く冷やす最強のコンビです。また、米更米も入っていますので、甘い味がしてお子さんでも飲みやすいのが白虎加人参湯の良いところです。

EEMに白虎加人参湯を内服しますと速効性がある漢方薬ですので、EEMの紅斑が早ければ1週間くらいで消えてきます。初めは完全にEEMの紅斑が消えるまで白虎加人参湯を内服する必要があります。内服してから紅斑が減ったけれどもまだ残る時には、そのままの量で内服を長くする方法と内服量を増量して継続する方法があります。初めの治療で紅斑の減り方が少ないお子さんでは早めに増量するのが良いでしょう。
EEM発症からの期間が長いお子さんでは、白虎加人参湯を短期間ではなく1週以上の長期単位で治療を継続することが必要です。




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