食物アレルギー治療における皮膚バリア機能改善の重要性


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食物アレルギー治療における皮膚バリア機能改善の重要性

神奈川県立こども医療センター 栗原 和幸先生講演会


 1.偏らず幅広く食べることでアレルギー反応を抑制することが出来ます。

 2.例えばイスラエルでは離乳期からピーナッツバターを与えていますので、ピーナッツアレルギーが起きません。
   ところがイギリスに移住したイスラエルのお子さんはイギリスでは離乳期にピーナッツバターを与える習慣がないので離乳期にピーナッツアレルギーが起きてきます。

 3.人工栄養(ミルク)の方が母乳より、アレルギーの要因を示す特異的IgEの値が低い傾向にあります。
   牛乳アレルギー(ミルクアレルギー)の予防対策として早期からミルクを飲ませた方が牛乳アレルギーは少ないのです。

 4.食物アレルギーから発症するアトピー性皮膚炎もありますが、実はアトピー性皮膚炎から発症する食物アレルギーも大きいのです。
   皮膚バリア機能障害をおこしている、アトピー性皮膚炎の治療が食物アレルギーにとってはとても大切なのです。

 5.早期発症が持続性のアトピー性皮膚炎はフィラグリン遺伝子異常との相関関係があります。
   ピーナッツアレルギーのお子さんでは、健康のお子さんに比べてフィラグリン遺伝子異常がとても多くみられます。

 6.アトピー性皮膚炎では非ステロイド系の外用薬は適切ではありません。

 7.アレルゲンが皮膚から暴露して経皮感作を起こしますと、食物アレルギーを発症してきます。
   皮膚バリア機能の改善(アトピー性皮膚炎の治療)が大切なのです。
 
 8.アレルゲンが経口暴露しますと経口免疫寛容が起こり、食物アレルギーを抑制します。

 9.ステロイドの外用薬で皮膚を良くしてからプロトピック軟膏に変更しますとプロトピック軟膏の顔の刺激感は少なくすみます。

10.食物アレルギーを心配して母乳栄養のお母さんが自分の食事制限をする必要はありません。
   お母さんが卵1個食べても母乳に出てくる卵は10万分の1という、とても微量でありますので通常は問題はありません。
   母乳栄養を与えているお母さんの食事制限は必要ありません。



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