気道ウイルス感染と小児気管支喘息


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獨協医大 吉原 重美先生講演会より

 1.ウイルス感染によるぜん息の発症の予防効果がロイコトリエン拮抗薬(オノン)にみられます。

 2.ウイルス感染によって増悪するぜん息をロイコトリエン拮抗薬が予防します。

 3.ぜん息の危険因子として

 @アレルゲン(一番多いのはダニ)
 
 Aウイルス感染による呼吸器感染
 
 B受動喫煙

 4.アトピー型ぜん息は乳幼児には少なく学童期に多くみられます。

 5.反復する「喘鳴」(ぜいぜい)はぜん息として早期にロイコトリエン拮抗薬で治療開始するのが良いでしょう。

 6.乳児の反復する「喘鳴」(ぜいぜい)は、早期にロイコトリエン拮抗薬で治療開始して、学童期以降のぜん息の進展を予防するのが良いでしょう。

 7.「喘鳴」(ぜいぜい)を繰り返している、お子さんは1〜3才ですでに気管支の基底膜の肥厚(リモデリング)(気管支の内膜が狭くなった状態)を起こしています。

 8.明らかなウイルス性の「喘鳴」(ぜいぜい)でも気管支の基底膜の肥厚は起きていますので、ロイコトリエン拮抗薬で早期に治療するのが望ましいといえます。

 9.ぜん息の診断がついていますお子さんにロイコトリエン拮抗薬を投与しますと、ウイルス感染による「喘鳴」(ぜいぜい)の予防効果があります。

10.お子さんの皮膚の状態を良くしますと、呼吸器(肺・気管支)の状態も良くなります。

11.健常児のお子さんはRSウイルス感染に罹患しても、上気道の感染のみで終わり、下気道の細気管支炎にはなりません。

12.重症のぜん息では、過去に重症のRSウイルス感染(細気管支炎)があったお子さんに多くみられます。

13.RSウイルス感染による細気管支炎で気道上皮障害が強く起こりますと、その後にぜん息になります。

14.気道上皮障害の起こりやすい体質(遺伝的体質)があるお子さんが、ぜん息になりやすい傾向があります。

15.RSウイルス感染予防のシナジスを投与しているお子さんの方が、投与していないお子さんに比べて反復性喘鳴(ぜいぜい)は少なく、アトピー型ぜん息が抑制されます。

16.3才未満のお子さんでは、アトピー型多因子重症ぜん息で、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎・食物アレルギーの合併が多くみられます。

17.アトピー要因のある食物アレルギーのお子さんに

 @TH2サイカイン阻害薬(IPD)

 A抗ヒスタミン薬
 
 を投与しておきますと、ぜん息の発症を予防出来る可能性があります。
 @の方がAより最近は効果があると考えられています。

18.9月1日から10月中旬にロイコトリエン拮抗薬を内服していますと、ぜん息の症状が悪化しにくいことがわかっています。



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