アトピー性皮膚炎の病態とかゆみ治療


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東京大学 佐藤 伸一先生講演会より

@アトピー性皮膚炎は「フィラグリン」の機能異常によっておこる皮膚のバリア異常が原因です。

Aフィラグリンの機能として
1)皮膚の表皮細胞を平坦化して皮膚を守ります。
(バリア機能をつかさどっています。)

2)天然の保湿因子でもあります。

B日本人のアトピー性皮膚炎の20%以上でフィラグリン遺伝子異常が認められます。

Cフィラグリン遺伝子の異常がみられますと、皮膚のバリア機能障害が誘発されます。

D皮膚のバリア機能異常がありますと、皮膚が外来アレルゲン(例えば食物・ダニなど)に対して何度も暴露されますので、Th2のアレルギー反応にシフトします。

ETh2アレルギー反応にシフトしますと、表皮の湿疹に変化が誘導されて、さらに血液中のアレルギーの数値を示すIgE抗体が増加していきます。

FTh2のアレルギーにシフトしますと、フィラグリン発現の低下がおこり皮膚の障害がおこります。

Gアレロックはその他の抗ヒスタミン剤に比べて、発疹を抑制する効果が高い特徴があります。

Hぬり薬単独使用ですと「かゆみ」の再発がありますが、「ぬり薬」や「アレロックの内服」ですと「かゆみ」の再発率が低下します。

I「かゆみ」のない時でもアレロックの内服をしていますと、「かゆみ」が抑制されます。

Jアレロックは短期の一時的な内服より、長期の連続内服の方が「かゆみ」に効果があります。

Kアレロックは抗炎症作用が最も強い抗ヒスタミン剤です。アトピー性皮膚炎は皮膚の炎症ですのでこれを改善してくれます。

Lアレロックは抗ヒスタミン剤によくみられる「仕事や勉強の機能が低下するインペアードパフォーマンス」

M小児においてアレロックが最も効果がある抗ヒスタミン剤と言えます。





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