子どもを守るためのワクチンスケジュール


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子どもを守るためのワクチンスケジュール

日本赤十字医療センター 園部友良先生 講演会より

1.不活化ポリオワクチン(IPV)

 不活化ポリオワクチンと三種混合ワクチンを組み合わせた「4種混合ワクチン」(DPT/IPV)が今後認可される見込みです。

2.4種混合ワクチン(DPT/IPV)

@今までに三種混合ワクチン・経口ポリオワクチン・不活化ポリオワクチンを1回でも接種したお子さんには使用できません。

A今までの三種混合ワクチンと同じで、生後3ヶ月から開始して3回接種後から6ヶ月以上経過しておよそ1年後に4回目の追加接種となります。

3.単独不活化ポリオワクチン
 
@今までの三種混合ワクチンと同じで、生後3ヶ月から開始して3回接種後から6ヶ月以上経過して、およそ1年後に4回目の追加接種をします。

A一度でも三種混合ワクチンを受けたお子さんは単独不活化ポリオワクチンを4回接種となります。
 
B生ポリオワクチンを1回受けたお子さんは単独不活化ポリオワクチンを3回接種となります。
  (この場合は3回目は2回目から6ヶ月以上間隔を空けます。)

C単独不活化ポリオワクチンを受けたお子さんは、4回目から受けた回数を引いた回数を接種します。
  (この場合も3回目から6ヶ月以上間隔を空けます。)
 
D三種混合ワクチンとの同時接種が必要になります。

4.ワクチンは病気に罹患する前に接種を終了しないことには意味がありません。

5.スケジュール作りの基本

@任意接種・定期接種の区別なく重いもの・流行しているVPD(ワクチンで防げる病気)のワクチン接種を優先します。

A定期接種のものでも流行が少なかったり、なかったりするものは遅く接種してよいでしょう。

Bワクチンの種類が増えているので、同時接種が基本で早く免疫をつけることが大切です。

C罹患年齢(病気にかかりやすい年齢)を考えますとヒブ・肺炎球菌・三種混合・ロタのワクチンは生後5ヶ月までに初回接種を終了する必要があります。
  そのためには同時接種をすすめて受診回数を減らすことが必要です。

Dワクチンデビューは生後2ヶ月の誕生日が良いでしょう。

E定期接種の補償制度の方が任意接種の補償制度より良いので、定期接種と任意接種のワクチンを同時接種した方が安全で安心です。
例えば定期接種の麻疹風疹混合ワクチン(MR)を接種する時に、任意接種の水ぼうそうやおたふくのワクチンを同時接種しますと麻疹風疹混合ワクチン(MR)の補償制度が適用になるのです。

6.細菌性髄膜炎予防ワクチン

@ヒブと肺炎球菌の髄膜炎は耐性菌(抗生剤が効かない細菌)が多いのでワクチンによる予防が大切です。

Aヒブと肺炎球菌による髄膜炎の患者さんは、生後3ヶ月から1才までが全体の約半数を占めますので生後2ヶ月からのワクチンの接種が大切です。

B集団保育(幼稚園や保育園)では、ヒブや肺炎球菌の感染の危険が2〜3倍に増えますので、集団生活に入る前にワクチン接種が望ましいことになります。

7.B型肝炎

@出産時の母子感染のみならず、出産後の水平感染(血液・涙・輸血・原因不明)が多いので、出来れば全員接種が良いことになります。

A慢性化しなくても、B型肝炎のウイルスが残っていて免疫が抑制されると、B型肝炎は発症する例がありますので、やはりワクチンによる予防が大切です。

8.三種混合ワクチン(DPT)

@成人百日咳の流行があり、生後3〜6ヶ月未満のお子さんの場合は重症化しやすいので、生後3ヶ月になったらすぐに接種が必要です。
 
A今後、三種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンが一つになった4種混合ワクチンが使えるようになるでしょう。
 
9.BCGワクチン

@ヒブと小児用肺炎球菌ワクチンの接種が3回終了して、三種混合ワクチンが2回接種し終わった生後4か月半前後にBCGワクチンを接種するのが望ましいことになります。

10.水痘ワクチン・ムンプスワクチン(おたふく)

@接種率も約40%なので流行しており、特に保育所での感染が顕著になります。

Aどちらのワクチンも2回目の接種が必要です。
 
B水痘ワクチンは数年空きますと、自然水痘に近くなりますので、水痘ワクチンの追加接種は初回から1〜3ヶ月後か、3才頃が良いでしょう。

Cムンプスワクチン(おたふく)は3〜6才で追加接種が良いでしょう。

11.麻疹風疹混合ワクチン(MR)

@1回目は1才のお誕生日に麻疹風疹混合ワクチン(MR)をプレゼントしましょう。
 
A成人男子に風疹が小流行中ですので、パパにも接種が必要です。

B麻疹風疹混合ワクチン(MR)・水痘ワクチン・ムンプスワクチン(おたふく)の同時接種も補償の点からお勧めです。

12.水痘の現実

@水痘で死亡する患者さんが現実にいらっしゃいます。
 
A合併症として中枢神経障害は0.1%ですが、死亡・後遺症は20%と高いのが特徴です。

13.おたふくかぜ

@おたふくかぜで死亡する患者さんが現実にいらっしゃいます。
 
A合併症として一生治らないムンプス難聴があります。

B1才でおたふくかぜのワクチンを接種すると髄膜炎の合併症も少なくなる可能性があります。


 




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