ロタウイルス胃腸炎とロタウイルスワクチン
ロタウイルス胃腸炎とロタウイルスワクチン
札幌医科大学 堤 裕幸先生 講演会より
1.小児の急性胃腸炎は「ノロ」より「ロタ」のものが多い傾向にあります。
2.ロタウイルス胃腸炎は下痢と発熱が強くみられます。
3.ノロウイルス胃腸炎は吐き気が強くみられます。
4.ロタウイルス胃腸炎の外来受診は年間79万人います。
5.ロタウイルス胃腸炎による入院は、年間2.5万人〜7.8万人います。
6.6歳未満では胃腸炎100人中、11人がロタウイルス胃腸炎で病院を受診しています。
7.ロタウイルス胃腸炎は昔は冬に多くみられましたが、最近は春に多くみられるようになりました。
8.ロタウイルス胃腸炎の便は、ほんの少量付いただけでも、感染力がとても高いのです。
9.ロタウイルス胃腸炎は水分がとれていても、大量の下痢による水分喪失があり、重症脱水症になりやすいので注意が必要です。
10.ロタウイルスには複数のものがありますが、一つのロタウイルスに対しての抗体があれば、他のロタウイルスに対しても免疫がある程度働きます。
11.ほとんどの乳幼児は2才までに少なくとも一回はロタウイルスに感染します。
12.ロタウイルス感染が以前に2回ありますと、3回目の感染では重症のロタウイルス感染症はおきていません。
つまり2回ロタワクチンの接種をすれば、ロタウイルス感染の重症化を防ぐことができるのです。
13.1価のロタワクチン(ロタリックス)では
@少量のロタウイルスが入っていますが、接種を受けた赤ちゃんはかなり高率に便の中にロタウイルスを排泄しています。
A少量口から入っただけでも免疫はつきますので、問題はありませんのでワクチンを飲んで嘔吐しても再投与の必要はありません。
14.5価のロタワクチン(ロタテック)では
ロタリックスに比べて、たくさんのロタウイルスが入っています。
Aロタテックの接種を受けた赤ちゃんは、便中にロタウイルスを排出する量は少なくなっています。
15.1価のロタワクチン(ロタリックス)と5価のロタワクチン(ロタテック)での重症ロタウイルス胃腸炎に対する抑制効果に明らかな差はみられていません。
16.世界(海外)ではロタリックス導入後、下痢症による死亡者数が2/1以下に減りました。
17.ロタウイルスワクチンの第一の目標はロタウイルスによる死亡と疾病の重症化を防ぐことであり、ロタウイルスの感染を防ぐことが目的ではありません。
18.ロタウイルスワクチンと腸重積の関係はありません。
@厳密には5万人の子供にロタウイルスワクチンを接種しますと、腸重積のお子さんが自然発生と比べて一人だけ増える率になります。
A世界(海外)では年間1才未満児の10万人あたり50人の腸重積が自然発生します。
B日本では年間1才未満児の10万人あたり100人の腸重積が自然発生して海外よりも少し多い傾向があります。
Cロタリックス開始後、年間1才未満児の10万人あたりの185人の腸重積の発生がありました。
D腸重積の好発時期(生後20週から40週)にロタワクチンを接種しますと、まぎれ込みが増えてさらに、ワクチンによる腸重積が増える可能性があります。
Eロタワクチンは腸重積の自然発生がもともと少ない生後0週から12週までに終了するのが望ましいと言えます。
生後9週までの腸重積の自然発生率は低いからです。
19.ロタワクチンはポリオの生ワクチンと同時接種しますと、ワクチンの効果が下がってしまいますので、避けた方がよいでしょう。
20.ロタワクチンとヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンとの同時接種は問題はありません。
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