〜じんま疹の考え方〜
〜東京大学 佐藤伸一先生講演会より〜
「慢性じんま疹」
@原因不明が72%あります。
A誘発因子としては
1)ストレスの多い生活環境は慢性じんま疹を起こしてしまいます。
2)年齢が下がると上気直感染(カゼ)が増えて急性じんま疹を発症しますが、ヘリコバクターピロリ菌に感染してますと慢性じんま疹につながる可能性があります。感染とじんま疹は関連がみられます。
3)血液検査自己抗体の一つである甲状腺抗体が陽性のじんま疹の12〜33でみられます。血液検査で白血球が低下していますと「SLE]の可能性があります。
4)薬剤で起こることがあります。血液検査で好酸球が増加していますと薬剤性のことがあります。
B発症年齢が35歳以上であったり、じんま疹の罹病期間が1年以上の慢性じんま疹は予後が良くない傾向になります。罹病期間がながくなればなるほど治るのに時間がかかります。
C標準の治療で6ヶ月〜1年で40〜50%は治ります。2年で60%が治ります。
D治療は第2世代の新しい抗ヒスタミン剤が適切です。第1世代の古い抗ヒスタミン剤は使用しないことが大切です。
E飲み薬は最低1ヶ月以上必要です。これでじんま疹の症状が出るなら2〜3ヶ月必要です。重症では1年間の内服が必要です。
F慢性じんま疹では、じんま疹が消失して、すぐに内服を中止してしまうと再発することが多い傾向にあります。じんま疹が消失しましたら例えば1日2回の内服でしたら、これを2週間続けて、その後に1日1回の内服と半分の量に減らして、さらに2週間続けてと少ずつ減量した方が再発率が少なくすみます。
G第2世代の抗ヒスタミン剤が効果がない時は〜
1)内服の量を2倍に増やしてみると意外に効きます。
2)胃炎の薬(H2ブロッカー:タガメットやザンタック)を併用して服用すると有効率が増えます。例えばクラリチンという第2世代の抗ヒスタミン剤に胃炎のタガメットというお薬を併用しますと血液中のクラリチンの濃度が上昇して、効果が出やすくなるのです。
Hアスピリン不耐症などの特殊なじんま疹にはロイコトリエン拮抗体(キプレス)が効果があります。
Iロイコトリエン拮抗体の「アンレート」と第2世代の抗ヒスタミン薬を併用しますと膠原病などの自己抗体関与の慢性じんま疹で効果があります。
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