小児ぜん息の診断と治療
〜群馬大学 荒川浩一先生講演会より〜
T乳幼児ぜん息における問題点
@乳幼児の肺と気管支
1)乳幼児はもともと空気の通り道が狭くなってます。
2)呼吸をするための筋力の発達が未熟ですので、気管支を拡げるお薬の効きがよくありません。
3)脱水におちいりやすい傾向があります。
A慢性肺疾患(BPD)
未熟児の赤ちゃんはBPDになることが多いです。
BPDの急性の喘鳴には短期間のステロイドの飲み薬が効果がありますが、吸入ステロイドによる喘鳴の予防効果はみられません。
B喉頭軟化症
食事や運動の時に咳や喘鳴の症状が強くなりますが、寝ている時に症状が全く出ないのが特徴です。咽頭がまだ未熟なためにおこるのですが、成長とともに症状が消去していきます。
C慢性気管支炎
受動喫煙による慢性気管支炎は、受動喫煙から避難できる生活状況になりますと喘鳴がよくなります。
U年長児のぜん息における問題点
@百日咳と咳ぜん息が間違われていることが多くあります。
Aマイコプラズマ感染症後の胃食道逆流症による咳には、胃炎や食道炎のお薬であるガスターがとても良く効きます。
B胃食道逆流症の疑いがある咳とは〜
A)大笑いの後に咳や喘鳴がみられます。
B)一度、咳がはじまるとしばらく持続します。
C)ぜん息のお薬による症状改善の効果があまりありません。
C心因性のぜん息もあり、次のような特徴があります。
A)寝ている時には咳は全く出ません。
B)自閉症の症状として咳が出てくることがあります。
C)知らない人と話をするのが苦手です。
D)学校で友達とコミュニケーションが良く出来ません。
E)自分の感情をうまく表現出来ません。
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