成人ぜん息から見た小児ぜん息
〜小児ぜん息を成人へキャリーオーバーさせないために〜
国立相模原病院
〜秋山 一男先生講演会より〜
成人ぜん息のリスクファクター(危険因子)は、次のものがあげられます。
@アレルギー性鼻炎
A肥満
B喫煙
Cペット
D女性(特に30〜39才の女性)
成人ぜん息の中でも20才代のぜん息は、小児発症のぜん息が多いですが40才以降のぜん息は、成人になってから初めてぜん息になる人が多い傾向があります。
13才以降発症の小児期発症の成人ぜん息は54%が治りません。特に男性より女性、アレルギー性鼻炎のある人、ペットを飼っている人、肥満の人では顕著にみられますので、注意が必要です。
また、スナック菓子を多く食べる人や、コーヒーや紅茶に砂糖を入れる人に多い傾向があります。
12才以前発症の小児期発症の成人ぜん息は37%が治りませんが、13才以降発症の小児期発症の成人ぜん息の54%に比べると治る確率が高くなります。
小児期発症の成人ぜん息はアトピー型(アトピーというアレルギーの素因をすでに持っているアレルギー)が多い特徴があります。
小児期発症の成人ぜん息は、軽症でアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎の合併が多くみられます。
成人発症の成人ぜん息は重症例が多くみられます。
成人ぜん息は、病院を受診した時に若くて症状の軽い人が治っていきます。
成人ぜん息は、吸入ステロイドの使用開始までの期間が長いとぜん息は改善しにくくなります。
(吸入ステロイドの早期開始は、ぜん息の症状と進行を防げる可能性があるのです。)
成人ぜん息の炎症によって、すでに気管支の壁が肥厚している人では、吸入ステロイドを使用してもぜん息の改善効果はあまりありません。
ですので、ぜん息は吸入ステロイドを早期に開始することが大切なのです。
小児期発症の成人ぜん息は、喫煙をしている人が意外に多く、肺気腫の合併も多くみられます。
成人ぜん息では、禁煙がとても大切です。
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