〜ユッケで食中毒〜
ユッケを食べたお子さんが病原性大腸菌に感染し重症化されています。
病原性大腸菌は感染してベロ毒素がみられた場合に重症化しますが、ベロ毒素がみられないタイプの軽症のものもあります。
お子さんはよく下痢をされますが、下痢には病原性大腸菌などの細菌感染が原因のものと、ウィルス感染が原因のものがあります。
ウィルス性の下痢では抗生剤は必要ありませんが、細菌性の下痢では抗生剤(主に「ホスミシン」)を飲みませんと症状は良くなりません。
また、病原性大腸菌のような細菌性の下痢では、適切な抗生剤(ホスミシン)を早期から使用しませんと、症状の改善が遅くなるだけではなく、重症化して腎臓、腸、脳に障害が出てくる可能性が増えてしまいます。
細菌性の下痢として病原性大腸菌は最も多いのですが、そのほかにサルモネラ、キャンピロバクターなどがあります。
サルモネラは、菌が腸だけではなく血液の中に入りやすいので注意が必要です。
お子さんの下痢をみていますと、ウィルス性のものか細菌性のものかの区別は難しい傾向があります。
細菌性の下痢では、治療をいかに早く始めるかが大切ですので、小さなお子さんにはホスミシンなどの適切な抗生剤をはじめから飲まれたほうが安全と考えられます。
実際に、治りにくいお子さんの下痢では病原性大腸菌がかなりみられますので、注意が必要です。
仮に、ウィルス性の下痢にホスミシンを使用しても特に問題はありません。
最近は溶連菌感染症に係わる下痢も多くなっています。こちらは迅速検査ですぐにわかりますので、ペニシリン系の抗生剤を早期に始めると早く下痢が改善します。
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