小児のけいれんと抗ヒスタミン薬について


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順天堂大学 新島新一先生  講演会より


@抗ヒスタミン薬の使用の際には、過去に「けいれん」があったかの確認が必要です。
A抗ヒスタミン薬はアレルギー性鼻炎の鼻汁やくしゃみの改善やアトピー性皮膚炎や蕁麻疹の痒みの改善に使われる薬です。
Bてんかんのある成人が、抗ヒスタミン薬を内服するとけいれん発作が増悪するので注意が必要です。
C10才未満のお子さんで、けいれんの既往がある場合には抗ヒスタミン薬の内服によってけいれんが誘発されますのでお薬の選択が重要です。
D熱性けいれんのお子さんの45%が抗ヒスタミン薬を飲んでいたとの報告があります。危険因子として抗ヒスタミン薬の内服があげられます。
E6ヶ月以上の乳幼児で「鼻汁」の症状に安全に使えるお薬はアレジオンドライシロップのみでこれ以外のお薬は避けたほうがよいでしょう。
アレジオンドライシロップはお薬が脳内に移行することが低い安全なお薬で乳幼児には最も適しています。
F小児において脳内移行に伴う「けいれん」を誘発しない安全なお薬は次のものがあげられます。
a)抗ヒスタミン薬の中ではアレグラ・アレジオン・エバステルがあげられます。
b)ぜんそくのお薬ではオノン・シングレア・IPDがあげられます。
Gけいれんの既往のあるお子さんでは「けいれんを誘発する可能性のあるお薬」は使用を避けることが大切です。
具体的には次のお薬に注意が必要です。
ザジテン・セルテクト・ポララミン・アレルギン・ペリアクチン・ヒスタール・アタラックス・レスタミン・タベジール
上記のお薬は脳内移行の多いお薬ですので、けいれいんの既往があるお子さんが服用するとけいれんを誘発しやすくなります。



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